日本のGM 2009 6 13
株式市場としては、アメリカのGM問題が決着したので、
「やれやれ」という思いがあるでしょう。
そうなると、次に気になるのは、日本の「GM」でしょう。
もちろん、日本の株式市場には、GMという会社はありません。
これは、たとえ話として出したわけで、
日本の「GM問題」とは、JALのことです。
手元にある資料を見ると、
2006年から2009年の決算内容は、厳しいと言わざるを得ないでしょう。
(2006年は無配、その後も無配)
2010年も厳しい見込みと予想されます。
確か2007年まで世界経済は絶好調だったのではないでしょうか。
(日本企業の決算も、絶好調だった)
株主は、こう思っているでしょう。
「そもそも、株式会社とは、どういうことか。
株式市場に上場しているということは、何をしなければならないのか。
株式会社とは、仲良しサークルではない。
ましてや互助会でもない」
今のままでは、将来、数十年後には、
半官半民の企業を目指すことになるのか、
それとも公社化でしょうか。
現状のJALでは、
公社という経営形態の方がよいのではないかと思えてきます。
私は、株式会社万能主義者ではありません。
「利益を目指さない。
経営者も社員も仲良くやっていきたい。
国民も、それでいいと思っている」ということならば、
半官半民か、公社でも、構わないと思います。
さらに、株式上場も、万能ではありません。
非上場の会社で、優良会社は、たくさんあります。
また、上場会社のなかには、長期経営を考えて、
わざわざ「非上場化」をする会社が増えてきました。
株式市場に上場していることは、当たり前の話ですが、
投資家も会社も、利益追求が第一の目的です。
あるいは、利益は出ていなくても、将来の成長性が目的です。
日本の特徴として、株主不在の議論が進行しやすいと思います。
株式市場に上場しているということは、
株主は、会社に利益を求めるか、将来の成長性を求めます。
慈善事業で株主をやっている人はいません。
会社は、株主のものです。
日本人は、株式会社や上場をバラ色のように考えがちですが、
メリットもあれば、当然、デメリットもあります。
今の世の中、
公社という形態が、諸悪の根源のように言われますが、
「利益を目指さない。
経営者も社員も仲良くやっていきたい。
国民も、それでいいと思っている」ということならば、
公社という組織も問題ないと思います。
政府も官僚も、さらに評論家も学者も、
勝手に株主不在の議論をする傾向が強いと思います。
株式市場に上場しているということは、
株主は、会社に利益を求めるか、将来の成長性を求めます。
「そもそも利益が出せる会社なのか、あるいは将来の成長性があるのか」
これを忘れないでほしいと思います。
政府が面倒見切れなくなったからといって、
政府系企業を株式市場に押し付けられても困ります。
株式市場は、会社を治療する病院ではありません。
株式市場がほしい会社とは、成長性が高く、確実に利益が出せる会社です。
一流選手か、新人王が取れそうな選手がほしい。
怪我が多い選手はほしくない。
何だか、どこかのプロ野球球団に似ていますが、
株式市場も、同じことを考えています。
球団の経営も株式市場の経営も同じです。
あなたが球団経営者だったら、どう思いますか。
政府から義理とか人情と言われて、
毎年、盛りの過ぎた選手を押し付けられる。